金融機関を装う詐欺メールの巧妙化と、企業が取るべき情報防衛策
昨今、JAバンクや大手金融機関を騙る「本人確認」メールが全国的に出回り、個人や法人名義の口座情報が不正に搾取される事案が多発しています。
これらは一見、本物の銀行からの連絡に見えますが、その実態は、偽サイトへ誘導し口座情報を盗み取る「フィッシング詐欺」です。とりわけ経営者や中小企業の代表名義口座は、悪用されると法人の信用失墜・取引停止・顧客離れに直結し、深刻な経済損失を招く恐れがあります。
特に注意すべきは、企業宛のメールに見せかけた巧妙な表現や、本物そっくりのドメイン(URL)を使用する「AI生成型詐欺」であり、見破るのが困難になってきています。
【問題の本質についての分析】
この問題の本質は、単なるフィッシング詐欺の横行ではありません。
問題の根幹は、
〇「従業員や経営者が正規・詐欺を判断できる訓練を受けていない」
〇「企業が情報管理の観点でリスクマネジメントを確立していない」
〇「不正使用が発覚しても、初動が遅れ二次被害に繋がる」
という“内部対策の欠如”にあります。
詐欺師の巧妙さが進化するなかで、「騙される側の情報リテラシー」と「社内の危機管理体制」の格差が広がっているのです。
つまり、組織が「だまされにくい体質」を作れるか否かが、全損リスクを回避する鍵なのです。
【ディフェンス・カンパニーが提供する情報セキュリティ対策支援】
〇情報詐取リスクの初期診断と可視化支援
金融・個人情報に関するリスクを社内文書・メール運用から洗い出し、潜在的なフィッシング脆弱性を評価します。
〇詐欺メール判別研修の実施
警察OBによる実話を交えた演習形式の研修を実施。経営者・従業員向けに、詐欺の手口とその見破り方を具体的に伝えます。
〇被害発生時の即応支援体制
口座乗っ取り・情報漏えいが発覚した際、証拠保全・金融機関との交渉・警察相談のアドバイスをワンストップで実施。
〇弁護士との連携による法的対応支援
実際の法的措置(民事対応・刑事告訴等)は、当社提携弁護士が正式に受任し、当社は状況分析や証拠整理などの支援を行います。
〇被害防止のための情報漏洩シミュレーション
業務メールや社内システムに対する模擬攻撃を通じ、どのように情報が狙われるかを体感してもらう訓練を提供。
〇デジタルリスク監視ソリューション導入支援
外部との通信記録・USB抜き差し履歴・ログイン時間などを常時監視できるITソリューション導入をサポートします。
〇金融機関との協議・報告対応のアドバイス
当社の捜査実務経験者が、第三者不正使用時の通報・被害届提出にあたっての整理・同行等を行います。
〇信用回復のための広報戦略支援
被害後の顧客・取引先への誤解を防ぎ、企業信用を守るための発表文・記者対応などの支援を行います。
〇今後の社内規程・就業規則への反映助言
セキュリティルールや内部通報制度への反映方法について、再発防止に向けた運用改革をご提案します。
〇経営者専用リスク顧問制度のご提案
経営者のメール・SNS・口座情報が狙われやすい現状を踏まえ、経営者本人のリスクガードを目的とした専門顧問制度を導入可能です。
【法的根拠と解説】
フィッシング詐欺で誘導される先は、刑法第246条の詐欺罪に該当する行為を目的とするものであり、これにより個人情報や金融情報が盗まれた場合、詐欺罪、または不正アクセス禁止法違反に該当する可能性があります。
特に法人の経営者名義の口座が第三者により不正利用された場合、判例上は「当該法人に重大な注意義務違反がなかったか」が問われる傾向があります。取締役や経営者に求められる注意義務(善管注意義務)は、預金口座の管理や監査、会計業務の適正性確認など、具体的な管理体制の構築・運用に及びます。例えば、預金通帳の残高確認や紛失届の有無の確認を怠った場合、または疑念を抱かせる行動があったにもかかわらず適切な対応をしなかった場合には、善管注意義務違反が認められています。
情報リテラシーを放置した結果、被害が拡大した場合、「過失」と見なされるリスクもあり、これは企業法務上の大きな脅威です。
なお、法的対応を要する場合は、当社の提携弁護士が正式に受任して告訴状や示談交渉等を行い、当社は調査・状況整理・関係者ヒアリング・証拠提供などのコンサルティング支援を担う体制として運用しております。
【おわりに】
デジタル社会の裏側では、目に見えない攻撃者があなたの口座情報や社内機密を虎視眈々と狙っています。
たった一通のメールから始まる信用失墜と損失リスク・・・
その重大さに気づいた今こそ、「守りの体制」から「未然に防ぐ危機管理」へと意識を変えるべき時です。
ディフェンス・カンパニーは、実際に刑事事件を数多く捜査・解決してきた警察OBたちと、各士業・調査・広報の専門家チームが一体となり、真に機能する危機管理体制を構築いたします。
一度きりの対応ではなく、あなたの企業の「防衛力」を継続的に高めていくパートナーとして、私たちは存在します。
ディフェンス・カンパニーは、困っている人、企業、社会に手を差し伸べる存在であり続けます。
【ディフェンス・カンパニーの格言】
小火(しょうか)こそ防火の要
小さな兆候(詐欺メール)を見逃せば、大火(経営危機)になる。
リスクは初動で抑えることこそ、真の防衛と心得よ。
※本記事は、危機管理コンサルタントとしての見解を示したものであり、法的助言や法律事務の提供を目的とするものではありません。
法的判断が必要な場合は、当社の顧問弁護士をご紹介させていただくことも可能ですので、お気軽にご相談ください。