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【奪われた経営ー乗っ取られた会社】

「君たちは新しい舟に乗った」会社を取り返した日の記録


これは、表向きは穏やかに見える会社の中で、
知らぬ間に権限が外部者に掌握され、
会社が“静かに”乗っ取られていた実話です。


私たちディフェンス・カンパニーは、この会社の株主代理として、
たった一言の緊急動議から経営を奪還し、5年越しの支配構造に終止符を打ちました。

本記事では、最終決戦とも言える株主総会と取締役会の舞台裏を詳細にご紹介いたします。


支配の構造は、信頼から始まった

この会社には、国家資格を持つ4名の取締役が在籍していました。
中には高齢者もおり、皆「できる限り長くこの会社にいたい」と願っていました。
しかし、経営経験には不安があり、そこで登場したのが外部コンサルタント。
株主の知人でもあったこの人物は、「支援」という形で入り込み、
「私に任せれば安泰です」と囁いて経営実権を握り始めました。

コンサルは、巧みに「報酬」を使いました。
4人の取締役に高額な特別賞与を定期的に与え、
「私についてくれば将来は安泰です」と言って取り込んだのです。

株主には「形式的な書類」と偽って議事録に印鑑を押させ、
実際にはそれが賞与支給の承認書類でした。

社長もやがて、完全に彼の傘下に入り、
会社は制度上は取締役会設置会社でありながら、実質的に“コンサルの私物”となっていたのです。


株主総会での逆転劇

私たちは、株主の正式代理人として総会に出席しました。
当然、取締役4人は不安に満ちた表情で臨んでいました。

しかしそこで私が語ったのは、まさかの「5年間の重任提案」でした。
それだけではありません。

  • 定款変更による任期延長の提案
  • 株主のご子息2名を次世代経営差として新取締役へ登用
  • 私(代理人)の非常勤取締役就任(ご子息の大目付役)
  • 投資支援可能な実業家2名を新たに非常勤取締役として迎える案

5人の新取締役追加による9人体制への定款変更の提案。

4人の取締役の顔は一瞬にして明るくなり、
コンサルは、「これで5年は安泰だ」と判断し、油断しました。

「吉村さん、ありがとうございます。私から4人の取締役に代わってお礼申し上げます。」

この瞬間、彼は勝利を確信して喜びに満ちていました。


すべてを変えた、たった一言

翌日。取締役会を開催。

淡々と進む議題、挨拶、事業方針。
会議が終わりかけたその瞬間、私は声を上げ

「緊急動議!」

一瞬、空気が凍りつきました。

「外部コンサルタントの契約について、経費が高すぎる。
年間2000万円近い無駄が出ており、必要性を感じない。
この契約を解除すれば、会社の財務体質は劇的に改善する。」

4人の取締役は慌てて反対しました。
だが、私はこう言い切りました。

「あなた方4人全員が後任候補も出さずに一斉辞任するなら、
特別背任罪での告訴、損害賠償請求の準備はできている。
しかし、私はあなた方を敵とは見ていない。
むしろ、新しい舟に乗る仲間だ。
私はその舟に共に乗ると約束する。
今から、この舟を“本来の持ち主”のもとに戻す。」

静まり返る会場。

やがて、誰からともなく「どうすればよいでしょうか」と声が上がり、
私は「契約解除しかない」と伝え、正式に採決を取ると、満場一致で可決されました。

その日のうちに、外部コンサルに契約解除通知が送られました。


最後の闘い、そして完全勝利へ

外されたコンサルは激怒し、
嫌がらせや虚偽の申立て、社外への悪評拡散など、あらゆる妨害を行ってきました。

私たちディフェンス・カンパニーは、この会社と正式に顧問契約を結び、
法的・実務的・組織的に完全に“迎撃態勢”を構築。

一つ一つ、正面から“各個撃破”を行い、
やがて彼は完全に黙り込み、白旗を上げて撤退していきました。

この間、実に5年。

それは、信頼を悪用して会社を支配した者に対して、
正義と論理で打ち勝った執念の5年間でした。


おわりに

この実話が教えてくれるのは、
信頼の名のもとに会社が静かに奪われていく構造が、
誰の会社にも起こり得るということです。

大切なのは、「優秀さ」や「忠誠」ではなく、
誰が会社の未来を背負う意志を持ち、透明性を保っているかという事実です。

私たちディフェンス・カンパニーは、
このような戦いの最前線で、企業の尊厳を守り抜いてきました。


【ディフェンス・カンパニーの格言】
沈黙と報酬で縛られた者には、言葉は届かない。
だが、覚悟と論理を持つ者には、未来がひらける。


※本記事は、危機管理コンサルタントとしての見解を示したものであり、法的助言や法律事務の提供を目的とするものではありません。
法的判断が必要な場合は、当社の顧問弁護士をご紹介させていただくことも可能ですので、お気軽にご相談ください。