~元捜査一課の刑事だからこそ語れる、犯人の深層と企業に潜むリスク~
【事件概要:東大前駅 無差別切り付け事件】
2025年5月7日午前、東京メトロ南北線「東大前駅」で、43歳の男が刃物を使って乗客に切り付ける事件が発生。
加害者は、乗車時、車内、降車時の計3回にわたって20代男性に攻撃を加え、2人が負傷。その場で現行犯逮捕されましたが、黙秘を続けており、犯行動機はいまだ明らかになっていません。
日常の中で突如として現れるこの種の無差別事件は、決して偶然や一時の激情ではありません。
数多くの殺人犯と向き合ってきた元捜査一課の視点から見ると、そこには必ず“静かなる前兆”と“社会の見落とし”があります。
【加害者の心理構造】
~表面の静けさの裏に潜む危機~
・社会との断絶と孤立感
・蓄積された劣等感と承認欲求
・歪んだ正義感と万能感
・「誰にも理解されなかった」という怒りの蓄積
・自分の存在を“暴力”で示そうとする欲望
こうした感情は、周囲が見抜けずに放置され続けることで、やがて“破裂点”へと達します。
【「誰でもよかった」は嘘に近い】
加害者の口にする常套句「誰でもよかった」は、捜査官の視点からすれば“偽り”です。
実際には、彼らは無意識に「自分を否定してきた象徴」として特定の存在を選んでいます。
スーツ姿の若者、楽しそうなグループ、混雑する通勤列車――それらは、犯人にとって“自分を無視してきた社会”そのものであり、攻撃対象として選ばれるのです。
【静かなる前兆をどう見抜くか】
~事件は必ず“兆し”とともに始まっている~
・急な連絡遮断
・勤務態度の激変
・部屋やロッカーの異常な整理
・不自然な身なりの整え(清潔感の強調)
・SNS投稿の変化(黒背景・哲学的引用など)
・検索履歴に「復讐」「無差別」「正義」などの単語
・「死んだって誰も困らない」などの発言
・防犯カメラの位置確認や、施設内の撮影行動
・突然饒舌になる、自分語りが始まる
・過剰な沈黙や異様な明るさ
・身辺整理や“遺書的”メモの作成
・自分だけが正しいという発言の増加
・“最近様子が変”という同僚の声
こうした違和感は、断片的には見落とされがちですが、線として結べば“未然に止められた事件”だったと気づかされるのです。
【もしこの加害者が社員だったら】
~企業に襲いかかる社会的・経済的打撃~
社員による重大事件は、企業そのものの存続に影響を与えかねません。
たとえ業務中でなくとも、社会やメディアは企業の関与や責任を問い、以下のような深刻な事態を招きます。
・ブランド・信用の崩壊
・取引先・顧客からの契約解除や信頼喪失
・求人離れと社内の人材流出
・ステークホルダー(株主・出資者)への説明責任
・記者会見や謝罪対応の失敗による「二次炎上」
・被害者・遺族からの損害賠償請求
・社内の動揺と人心の崩壊
・ハラスメントや孤立問題の表面化
【ディフェンス・カンパニーが提供する危機管理体制】
当社は、万が一に備えた「企業防衛の盾」として、次のような統合支援を行います。
〇【社員による事件発生直後の緊急対応支援】
・社内通知文・通報ルートの整備
・メディア対応テンプレートの作成支援
・記者会見用シナリオと質疑想定の提供
・関係者聞き取りと証拠整理(非弁範囲)
〇【風評被害・信用毀損への対応】
・SNS・検索エンジン上の拡散抑止・削除交渉
・広報戦略部門による信頼回復キャンペーン支援
・再発防止策の対外公表支援(プレス対応含む)
〇【顧問弁護士との連携による法的防衛】
・被害者側からの請求への防御体制
・会社側の法的責任整理(監督義務・選任責任など)
・当社は法的主張に必要な事実の資料整理・状況分析を担当(法律事務ではありません)
〇【社内環境と再発防止の整備】
・社員研修(兆候発見・心理変化の観察)
・通報制度の導入と匿名性の確保
・孤立対策と社内風土の改善プログラム
【おわりに】
事件は“個人の問題”では終わりません。
企業が社会において責任ある存在である限り、その社員の行動一つが、組織の命運を左右する時代です。
ディフェンス・カンパニーは、元警察官・弁護士・広報戦略家など各分野のプロフェッショナルが連携し、企業の名誉・信頼・生命線を守るための本物の支援を提供します。
「まさか」ではなく、「もしも」を想定できるか。
それが、危機管理の本質です。
【ディフェンス・カンパニーの格言】
『まさか』は常に、準備のない所を襲う
―誰もが“うちの社員に限って”と口にする。
だが現実は、予兆に背を向けた組織から崩れていく。備えなかった者だけが被害者になる。
※本記事は、危機管理コンサルタントとしての見解を示したものであり、法的助言や法律事務の提供を目的とするものではありません。
法的判断が必要な場合は、当社の顧問弁護士をご紹介させていただくことも可能ですので、お気軽にご相談ください。