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【競業避止義務の呪縛】

フランチャイズ契約の“見えない鎖”を断ち切れ


グループホーム事業の拡大を目指していた福祉会計事業者が、フランチャイズ契約によって大きな障害に直面しています。今回ご相談いただいた企業も、同様のジレンマに直面していました。

問題のフランチャイズ契約には、売上の25%という高率のロイヤルティが課されているのみならず、医療連携加算を不適切に請求するようなグレーな運用が常態化しているとのこと。特に、「知り合いの医師による過度な要介護認定を活用して、医療連携加算を最大化する」という運用には、倫理的・法的な懸念が付きまとっております。

さらにフランチャイザーは、医療連携加算取得のために「特別な手続指導が必要」として、コンサル会社を一方的に紹介してきました。相談者はそのコンサル会社と正式な契約を締結しておらず、契約書も存在しないにもかかわらず、突如、請求書が送られてくるようになり、仕方なく支払っていたという経緯も明らかになりました。

また、フランチャイザーには見た目が強面で、いわゆる“オラオラ系”と称される人物も関わっており、常に高圧的で威圧的な対応をされていたため、精神的な圧力も大きかったといいます。

そして、契約書には「大阪市内において、契約解除後10年間、同種の事業を行わない」とする競業避止義務が明記されており、違約金は1,000万円と記載されています。今後も大阪市内でグループホーム事業を継続したいと願う相談者にとって、この条項が大きな壁となっていました。


【競業避止義務の法的位置づけ】

裁判例では、以下の3要素をもとに有効性が判断されています。

〇 競業制限の期間・地域が合理的か

 例:東京地判平成12年4月27日「期間5年・地域全国」は無効と判断

〇 対価性

 対価が支払われているか、見返りがあるか

〇 契約者の事業上の地位・秘密保持の必要性

 今回の事案においては、「10年間・大阪市内全域」「違約金1000万円」という点が社会通念上著しく過  大であると評価される可能性があります。


【ディフェンス・カンパニーが提供する解決戦略】

フランチャイズ契約からの離脱・競業制限条項への対応を“攻めと守り”の二刀流で支援します。

〇 法的観点からの事前リスク分析

当社提携の弁護士が契約書の条項を精査し、無効主張が可能か否かを判断。過去の判例や業界実務の傾向をふまえた検討を行います過去の判例や業界実務の傾向をふまえた検討を行います。

〇 現場実態に基づく資料収集支援

フランチャイザーの医療加算請求が法令や通達に抵触する可能性があれば、その事実や証拠を収集・整理。当社の調査部門がサポートし、状況を正確に把握します。さらに、調査の結果として明確な違法性が認められた場合には、当社が収集した資料や証拠をもとに、当社の優秀な顧問弁護士に依頼の上、刑事告訴・告発の手続きに移行することも可能です。

〇 対話による戦略的出口交渉

契約解除を一方的に通知するのではなく、無理のない条件での合意解約を目指します。フランチャイザーとの交渉が威圧的・一方的な態度で困難を極める場合には、当社の顧問弁護士に依頼し、法的観点からの交渉サポートも可能です。合意解約や違約金の減額、地域制限緩和の交渉も視野に入れます。

〇 契約解除後の嫌がらせ対策・防犯支援

解除後に報復行為や嫌がらせのリスクが想定される場合には、当社の警察OBや防犯専門チームが介入し、監視体制や防犯設備導入など具体的対処策を講じます。

更に、違法行為があった場合は証拠を収集し事件化への資料といたします。

〇 フランチャイザーとの関係遮断に向けた証拠保全と記録整理
請求書、メール、通達、口頭記録など、後にトラブル証拠となる資料を体系的に整理・保管する体制づくりを支援します。将来的な係争や請求に備えた準備を徹底します。

〇 社内のコンプライアンス体制強化支援
フランチャイズ離脱後、自社単独での経営に移行する場合には、法令順守・倫理経営が求められます。当社は就業規則や内部規程の整備、社員研修の実施まで一貫してサポートします。

〇 内部通報制度の導入・運用支援
不正やパワハラ等の兆候を早期に察知する仕組みとして、内部通報制度の設計・導入を支援。安心して通報できる環境づくりを通じて、組織の健全性を保ちます。


【競業制限と戦うための視点】

このような契約は、力関係の不均衡を前提に一方的に締結されることが少なくありません。

しかし、

〇 内容が社会通念上合理的か

〇 公正な手続きで結ばれた契約か

〇 競業避止義務に対する見返りがあったか

といった観点をもって精査すれば、契約書に明記されているからと言っても、決して「絶対に守らなければならない義務」ではない場合があります。このような判断は、法律専門家である弁護士の相談に上で判断した方が良いです。

当社では、これらの観点からの総合的な危機分析次の一手の設計を、顧問弁護士と連携した専門家チームで支援しています。

【おわりに】

現代のビジネス環境では、「契約を交わしたから終わり」ではなく、契約内容の妥当性や実効性まで問われる時代です。 過剰な義務に縛られ、大切な地域や顧客とのつながりを絶たれることが、果たして本当に正当でしょうか?

ディフェンス・カンパニーは、そんな現実に苦しむ企業の“再出発”を支援するために存在しています。

「ただ争うのではなく、勝ち筋を見極める」

それが、私たちが貫く信念です。


【ディフェンス・カンパニーの格言】

契約の鎖は、知恵の鍵で断ち切れ

理不尽な制約も、冷静な分析と戦略があれば乗り越えられる。そのための“鍵”を、私たちは持っている。


※本記事は、危機管理コンサルタントとしての見解を示したものであり、法的助言や法律事務の提供を目的とするものではありません。 法的判断が必要な場合は、当社の顧問弁護士をご紹介させていただくことも可能ですので、お気軽にご相談ください。