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【自治体委託トラブルの深層】

行政と民間業者の“責任転嫁”が企業経営を揺るがす構造的危機とは


【現実に起きている事案と背景】

行政から委託を受けた民間業者が、住民からのクレームの矢面に立たされるケースが後を絶ちません。例えば「役所の指示に従っただけ」と説明しても、行政側が「業者が勝手にやった」と否定する構図が繰り返され、現場職員が犠牲になる事例が各地で多発しています。

特にごみ収集、動物保護、生活保護関連の分野では、住民との接触が日常的にあるため、1件のトラブルがSNS等で拡散し、業者への風評被害や行政不信に発展しやすい危険性があります。

【問題の本質についての分析】

この問題の根源は、行政と委託業者の間における契約書・業務仕様書の不明確さと、業務指示・報告系統の曖昧さにあります。

住民に対して表向きは「委託先が実施」としながらも、実際の判断や指示は行政側が握っており、責任の所在がグレーなまま運用されている実態があります。

さらに、現場担当者がトラブルを報告しても、行政が対応せず、結果的に情報が外部流出し炎上する“二次被害”も発生しています。企業の経営リスクとして無視できない深刻な構造的問題です。



【ディフェンス・カンパニーが提供する解決策】

〇 契約文書の明文化と監修
行政と交わす契約書・業務仕様書を、顧問弁護士の監修のもとで精査・修正し、曖昧な責任範囲を明確化します。

〇 業務指示系統の可視化
行政と現場担当者間の連絡・報告フローを整理し、指示の出所を記録できる体制を構築します。

〇 現場職員向け研修制度の整備
ハラスメント対応、クレーム処理、SNS対策などを中心に、委託業務従事者向けの危機管理研修を提供します。

〇 住民対応マニュアルの策定
行政と民間双方の承認のもと、対応方法・説明内容を標準化したマニュアルを導入します。

〇 内部通報制度の第三者管理
職員による内部告発・不正通報を安全かつ客観的に扱う仕組みを設け、隠蔽や逆報復を防止します。

〇 炎上対策広報支援
SNS炎上や動画投稿に対する危機対応広報の指導や、沈静化のための情報発信戦略を支援します。

〇 業務継続計画(BCP)の整備
クレームや訴訟リスクが顕在化した場合でも事業継続できるよう、体制の再設計と運用指導を行います。

〇 退職者リスクの事前対策
不満を抱えて退職する職員による情報流出や告発行動に備えた、証拠管理や事後対策マニュアルの導入を支援します。

【法的根拠と解説(当社顧問弁護士による所見)】

国家賠償法第1条では、国または公共団体が「その設置又は管理に瑕疵がある公の営造物」によって損害が発生した場合、または「公権力の行使」にあたる公務員の行為に過失があった場合には、当該自治体に損害賠償責任が生じるとされています。

近年では、委託業者であっても「実質的に公務員と同等の立場」と認定される判例(最高裁平成19年1月25日など)もあり、契約関係の有無を超えて行政側に責任が認定される事例も増えています。

そのため、自治体としては「委託=責任回避」とは考えず、包括的な管理責任と連携体制を構築しておくことが求められます。

【おわりに】

行政委託業務に関わる企業が直面するリスクは、契約書や現場対応の一文、一言から生じる深刻な問題へと発展します。

責任の押し付け合いを避けるには、仕組みそのものの見直しと、外部の専門家によるチェック体制が不可欠です。

ディフェンス・カンパニーでは、これらの危機を“構造”から読み解き、未然防止と再発防止の双方にわたる戦略を提供いたします。

必要に応じて、当社顧問弁護士による法的サポート体制の構築も可能です。

ディフェンス・カンパニーは、困っている人、会社、社会に手を差し伸べる存在であり続けます。


【ディフェンス・カンパニーの格言】

無責任の谷に橋を架けよ

責任の押し付け合いが続く場所にこそ、明確な役割と信頼の架け橋を築けという意味。


※本記事は、危機管理コンサルタントとしての見解を示したものであり、法的助言や法律事務の提供を目的とするものではありません。
法的判断が必要な場合は、当社の顧問弁護士をご紹介させていただくことも可能ですので、お気軽にご相談ください。