社員不正・横領の兆候とは?“気づいた時には遅い”を防ぐチェックポイント

社員による不正や横領は、企業規模を問わず起こり得る問題です。
しかし、多くの経営者が「まさか自社で」「信頼している社員に限って」と考え、初期の兆候を見逃してしまう傾向があります。

実際には、不正はある日突然起きるものではありません。
必ずと言っていいほど、その前段階として小さな違和感や変化が積み重なっています。

本記事では、社員不正や横領がどのように始まり、どのような兆候として現れるのかを整理するとともに、社内調査で注意すべき点、専門家が関与する調査の違いについて解説します。

不正は“ある日突然”起きない

社員不正や横領は、突発的な出来事として発覚することが多いものの、実際には長期間にわたって水面下で進行しているケースがほとんどです。
最初から大きな金額が動くことは稀で、業務上の小さな逸脱やルールの形骸化から始まることが少なくありません。

たとえば、「これくらいなら問題ないだろう」「後で帳尻を合わせればいい」といった軽い判断が積み重なり、次第に行為のハードルが下がっていきます。
その結果、本人の中で不正行為に対する抵抗感が薄れ、金額や頻度がエスカレートしていく流れが見られます。

企業側が気づいたときには、すでに被害額が大きくなっていたり、証拠の特定が難しくなっていたりすることも珍しくありません。
だからこそ、「起きてから対応する」のではなく、「兆候の段階で気づく」視点が重要になります。

現場でよく見られる兆候

社員不正や横領の兆候は、必ずしも分かりやすい形で現れるとは限りません。
しかし、後から振り返ると「確かにおかしかった」と感じる共通点が存在します。

業務や金銭管理に関する違和感

よく見られる兆候のひとつが、業務や金銭管理に関する不自然な動きです。
たとえば、特定の社員だけが経理処理を担当し、業務内容をブラックボックス化しているケースがあります。

また、
・帳簿やデータの確認を極端に嫌がる
・報告のタイミングが遅れがちになる
・説明が曖昧で、質問すると話題を変える

といった行動が見られる場合、注意が必要です。
これらは必ずしも不正を示すものではありませんが、確認すべきサインであることは確かです。

勤務態度や人間関係の変化

不正行為を行っている社員は、心理的な負担を抱えていることが多く、勤務態度や人間関係に変化が現れることがあります。
急に残業が増えたり、逆に周囲との接触を避けるようになったりするケースもあります。

また、「自分しか分からない業務」を過度に作り出そうとする姿勢も、兆候のひとつとして挙げられます。属人化が進むことで、不正が発覚しにくい環境が作られてしまうためです。

内部だけで調査するリスク

不正の疑いが生じた際、多くの企業はまず内部での調査を検討します。
しかし、内部対応にはいくつかのリスクが伴います。

社内の人間関係や立場の影響により、事実が正確に共有されないことがあります。
また、調査に関わる担当者自身が当事者に近い立場である場合、判断に偏りが生じる可能性も否定できません。

さらに、調査の進め方を誤ると、後に「調査が不適切だった」と指摘されることもあります。不正の有無を確認するつもりが、結果として企業側の対応が問題視されるケースも存在します。

証拠収集で絶対に避けるべき行為

社員不正や横領の調査において、証拠の扱いは非常に重要です。
一方で、善意で行った行動が、後から見るとリスクとなってしまうこともあります。

違法・不適切な手段による証拠収集

焦りから、私的なデータの無断閲覧や、権限を超えた調査を行ってしまうケースがあります。こうした行為は、不正の立証以前に、企業側の対応が問題視される可能性があります。

証拠収集は、「何が許され、何が許されないのか」を正しく理解した上で進める必要があります。

証拠を不用意に動かしてしまうリスク

不正の痕跡を見つけた際、すぐに対応しようとして証拠を動かしてしまうと、かえって状況を悪化させることがあります。
データの上書きや書類の整理が、結果として証拠の価値を下げてしまうケースもあります。

証拠は「集める」以前に、「保全する」意識が重要です。

専門家が関与する調査の違い

専門家が関与する調査では、感情や社内事情から距離を置いた対応が可能になります。調査の目的や範囲を整理した上で、適法性を踏まえた進め方が取られる点が大きな違いです。

また、証拠の扱いや聞き取りの方法についても、後のトラブルを見据えた対応が行われます。結果として、事実関係が整理され、企業として次に取るべき選択肢が見えやすくなります。

内部だけで抱え込むよりも、早い段階で第三者の視点を取り入れることで、不要なリスクを避けられるケースも少なくありません。

未然防止・早期相談の案内

社員不正や横領は、「起きてから対処する」よりも、「起きにくい環境を作る」ことが重要です。
業務の属人化を防ぎ、定期的なチェック体制を整えることが、未然防止につながります。

一方で、すでに違和感を覚えている場合には、早期の相談が有効です。
確証がない段階であっても、状況を整理することで、取るべき対応が見えてくることがあります。

小さな違和感の段階で立ち止まれるかどうかが、その後の結果を大きく左右します。

社員不正や横領に関する不安や疑問がある場合は、現在の状況について一度専門家に相談してみることも、重要な判断材料になります。

早期の相談は、企業の信用や経営基盤を守るための有効な選択肢のひとつです。

迷ったら、まずはご相談ください。

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