“辞めた従業員がSNSで会社を告発される”時代に備えよ
〜逆恨み・実名告発が企業ブランドを一瞬で崩壊させる〜
中堅警備会社で、退職した元従業員が勤務中の不正・パワハラ・日報改ざんをSNSで実名投稿。投稿の真偽に関係なく、契約先の大手企業は「リスク回避」を理由に契約を解除しました。炎上は1週間で全国に波及し、同社は企業ブランド・採用力・収益性の三重苦に陥ったのです。
これは他人事ではありません。
むしろ「全ての企業が抱える時限爆弾」と言えるのです。
【なぜ“辞めた者”が最大の脅威になるのか?】
退職者が持ち得る情報は、時として現職者よりも破壊力を持ちます。
- 勤務中に見聞きした不祥事や不適切対応
- 配属現場での人間関係・裏マニュアル・日報偽装の存在
- 会社内の“触れてはならない話題”の実名情報
さらに現代は、X(旧Twitter)やYouTube、TikTok等で簡単に情報を「全国に拡散」できる時代。
一つの投稿が、株主・取引先・採用候補者・報道機関・監督官庁にまで波及し、事実の真偽にかかわらず炎上と契約解除をもたらします。
【実際にあったトラブル例】
- 日報の“水増し勤務”を告発 → 労基署の調査が入り行政指導
- 上司の「隠語による罵倒」を録音公開 → ハラスメント企業の烙印
- 警備業法違反(未登録警備員の現場投入)を暴露 → 顧客契約失効、業者登録取消の危機
【法的な位置づけと限界】
仮に投稿内容が虚偽であったとしても、対応には大きな困難が伴います。
● 名誉毀損罪・信用毀損罪(刑法230条, 233条)
→ SNS投稿は「公然性」が極めて高く、企業の社会的評価を直撃。
● 守秘義務違反・不正競争防止法(営業秘密漏洩)
→ 誓約書が未整備な場合、漏洩された情報でも対応が困難に。
● 損害賠償請求(民法709条)
→ 損害立証と因果関係のハードルが高く、裁判は長期化しやすい。
このように、事後対応には限界があるため、“事前予防”こそが要諦です。
【ディフェンス・カンパニーが提案する7つの具体策】
① 秘密保持誓約書の“実務化”
単なる形式ではなく、退職前に個別説明・署名・録音記録まで徹底。
退職後のSNS投稿・風評拡散への強い抑止力を法的に確立します。
② 「離職時面談」のプロ化
警察OBが実施する“火種抽出型”面談により、
内部に残る恨み・未解決の対人トラブルなどを事前把握・事前封じ込めします。
③ 内部通報制度の実装支援
「言えない・届かない」声を“社外のプロ”が安全に受け止める体制を構築。
不満がSNSへ流れる前に、社内処理ルートの確保で発火リスクを消します。
④ 弁護士による徹底した法的措置
実名告発・誹謗中傷・虚偽情報の拡散には、提携弁護士と連携し、
- 内容証明による警告
- 投稿削除の仮処分申立て
- 発信者情報開示請求(プロバイダ責任制限法)
- 名誉毀損・信用毀損での刑事告訴及び損害賠償請求訴訟
をスピーディかつ実効的に実行します。
⑤ 炎上時の“初動対策プロトコル”整備
元捜査幹部が監修するマニュアルにより、
投稿検出→証拠保全→削除請求→外部発信者の特定まで段階的に自動実行できる指揮系統を構築します。
⑥ SNS監視と風評リスク分析
常時モニタリング体制により、元従業員・関係者のアカウントから発される異常兆候をリアルタイム検出・事前遮断します。
⑦ 人事管理の徹底
採用・配置・評価・退職処理における属人的判断を排除し、
記録・手続・証拠管理を基軸とした人事統制体制を構築。
「言った言わない」や「報復的退職者」を未然に防ぎます。
【経営者への問いかけ】
〇 誓約書は実際に効力ある形で運用されていますか?
〇 退職者との面談は“儀式”になっていませんか?
〇 内部通報制度は社外につながっていますか?
〇 SNSで企業の信用を破壊されたとき、即時対応できますか?
〇 元従業員からの発信を“予測する仕組み”はありますか?
【ディフェンス・カンパニーの格言】
「内側から崩れる城は、敵より恐ろしい」
“辞めた者”を軽視するな。辞める時こそ、細心の注意を払え。”
※本記事は、危機管理コンサルタントとしての見解を示したものであり、法的助言や法律事務の提供を目的とするものではありません。
法的判断が必要な場合は、当社の顧問弁護士をご紹介させていただくことも可能ですので、お気軽にご相談ください。